NPO通信No.250フィリピン貧困層に奨学金を支給するNPO法人
教育支援に取り組む兵庫県西宮市のNPO法人「DAREDEMO(ダレデモ) HERO(ヒーロー)」の奨学生で、セブ島に住む15〜22歳の高校、大学生の10人が、9月に4泊5日の日程で大阪・関西万博を訪れ、日本の同世代とも交流しました。医師を目指すシェイラ・カビガスさん(20)はパソナ館を見学し、医療機器などを乗せて空中を移動する「空飛ぶ手術室」に興味を持ちました。病院不足が指摘される母国で活用される日が来れば、「社会がもっと良くなる」と思ったからだといいます。10人は日本の中高生らと環境などをテーマに発表会も行いました。英語がうまく、奨学生になってから本格的に学んだそうです。セブ島といえば、リゾートのイメージがありますが、貧困は深刻で、ゴミ山で集めた物を売って生計を立てる人も少なくないそうです。高校生のグレイセル・ヘススさん(15)の自宅はスラム街にあります。約3畳のバラックに両親と兄、姉の5人で暮らし、入浴は自宅前の路地で水を浴びているといいます。日雇いで働く父親の収入は多くて月2万5000円相当。転機は小学2年の時です。学校から「奨学生に推薦された」と連絡がありました。ダレデモから、小学3年から大学卒業までの学費全額(200万円程度)や生活補助などの支給を受けられるようになったのです。海外支援は、大勢の人を包括的に援助する団体がある一方、ダレデモは少人数に絞っています。約9000人が通う協力校2校で小学3年になる児童から成績優秀者を毎年数人だけ選抜。卒業生は大手コンサルティング会社などに進みました。現在の奨学生は60人。年約2000万円に上る支援費用は主に企業や個人の寄附で賄っており、成績が振るわなければ支援打ち切りもあります。貧困支援は様々な形で続けられていますが、問題はなかなか解消されません。ダレデモの一手は、貧困層からの「エリート養成」です。
高校生が赤ちゃんとふれあって子育てへの理解深める
京都府福知山市土師、福知山高校(藤田浩校長)の1年生186人は9月から10月にかけて、クラス別に乳幼児親子と交流する授業に取り組みました。赤ちゃんと遊んだり、親に質問をしたりして子育てについて理解を深めました。家庭科の授業の「赤ちゃんふれあい交流」で、乳幼児の発達や親の役割などについて考えを深めることがねらいです。NPO法人「おひさまと風の子サロン」が協力し、毎回数組の親子が来校しました。10日は1組の生徒26人が参加し、生後9カ月〜1歳8カ月の親子7組と交流。互いに緊張した様子でしたが、絵本を読み聞かせたり、抱っこをしたりしながら徐々に打ち解けていきました。生徒たちは「出産で大変だったことは」「最近のかわいい行動は」などと積極的に質問。福知山での育児について、「雨の日に遊べる施設がもっとあればうれしい」といった声も聞き取っていました。
鹿児島・喜界島が日本ジオパークに認定
鹿児島県喜界島が日本ジオパークに新たに認定されました。約10万年前から隆起し続けてできたサンゴ礁段丘と、サンゴ礁の島をテーマにした地域づくりの活動が評価されました。県内では、「霧島」「桜島・錦江湾」「三島村・鬼界カルデラ」に続き4カ所目。サンゴ礁を主な地質とするジオパークは日本で初めてです。喜界島のサンゴ礁段丘は、約10万年間の気候変動など環境の変化を詳しく調べられる国際的にも貴重な場所として、2024年に国際地質科学連合の「世界地質遺産100選」に選ばれました。地質・地形に育まれた独自のサンゴ礁文化もあります。町は町内にあるNPO法人「喜界島サンゴ礁科学研究所」などと連携し、日本ジオパークの認定に向けた活動を重ねてきました。日本ジオパーク委員会は8月下旬に現地調査を実施。隆起サンゴ礁段丘の地質学的な重要性に加え、児童生徒が研究を体験できる「サンゴ塾」や3年間高校生を島で受け入れる「サンゴ留学」などの次世代育成活動を高く評価しました。ガイドなど地域住民の参加が広がっていることも確認しました。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |