NPO通信No.247お寺のお供えを困っている人に
寺院に寄せられた仏さまへのお供えを、家計が苦しいひとり親家庭などにおすそわけします。認定NPO法人「おてらおやつクラブ」(奈良県)は、10年以上そんな取り組みを続けてきました。段ボール箱にお菓子や食料、日用品を詰めて、支援先に送ります。箱の中には毎回、支援者が工夫したメッセージも添えています。横浜市南区の「大光院」では、住職の妻が中心になって活動し、毎回、直筆のメッセージを書きます。ある時は、こんな内容でした。《世の中、大変なこと、沢山(たくさん)、ありますね。でも、自分を見失わず、あなたらしく、頑張っていれば、必ず誰かが見てくれています。気にかけている人たちがいることを忘れないで下さい》すると、支援の品を受け取った相手から、おてらおやつクラブの事務局に返事が来ました。《『気にかけている人がいることを忘れないで下さい』というひと言を読んだとき、涙が止まりませんでした。(中略)もう少し頑張ろうという気持ちになりました》匿名でのやり取りだからこそできる、想(おも)いの交換なのかもしれません。箱を開けたときにわぁ!と笑顔になってほしい。そう願いながら、みんなで想いを詰めていきます。
尾道空き家再生プロジェクトの成果
広島県尾道市。広島の観光地としても有名なこの街で、2008年に発足した「尾道空き家再生プロジェクト」。17年を経て、約20軒もの建物をよみがえらせてきました。尾道は山と海に挟まれた細長い土地に広がる街で、平地が少なく、山の斜面に多くの建物が立ち並ぶ独特の景観が特徴です。坂の街として、映画や小説で印象的に描かれてきましたが、現実的な課題として、土地が狭いため家と家は密集して建ち、細い路地を挟むだけというケースが少なくありません。現在の建築基準法ではセットバックしなければ建て替えができず、現実的にそれは無理。そのため、老朽化が進めば取り壊すしかない建物がたくさんあるのです。NPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」が目の当たりにしたのは、まさにその問題の一端でした。現在、プロジェクトの象徴的な存在となっているゲストハウス「尾道ガウディハウス」の前身、旧和泉家別邸も、2007年当時、取り壊しの話が挙がっていました。ガウディハウスと同じ時期に再生したのが、NPO法人尾道空き家再生プロジェクトの事務所が入る「北村洋品店」です。壁や柱など、建物の強度・安全性に関わる部分の改修はプロに依頼。その他多くの部分については、ワークショップという形で人を集め、学びながら家づくりを楽しむという手法をとりました。木工事や外壁のうろこ壁、2階の床材を張る作業や、モルタル、漆喰(しっくい)、ドイツ壁などの左官仕事など、多くの工程でDIYを実施。たくさんの人の協力もあって、2009年2月、「子連れママの井戸端サロン 北村洋品店」がオープンしました。NPO発足から十数年の間に、プロジェクトは尾道市の空き家バンクの運営を受託。収入の一つの柱を得たといいます。また同じ期間に20棟もの空き家再生を実現し、他にはないノウハウを蓄積するとともに、多くの関係者とのつながりを結んできました。
赤目(あかめ)四十八(しじゅうや)滝(たき)「底なし」の真実
底なしと言われた滝つぼの深さは6・5メートルでした。三重県名張市の景勝地・赤目四十八滝渓谷の四つの滝で7月16日、潜水調査が行われました。赤目滝水族館によると、初の潜水調査。渓谷の公式ガイドブックには主な滝の水深が記されていますが、推測らしく今回の調査で実は「意外と浅い」と分かりました。赤目四十八滝は、20以上の滝が連なり、大きな滝はありませんが、森の中に姿の異なる滝が続き、夏は避暑に訪れる散策客でにぎわいます。調査は、水族館を含む運営管理NPO法人「赤目四十八滝渓谷保勝会」が計画し、霊蛇(れいじゃ)滝・千手滝▽布曳(ぬのびき)滝・竜ケ壺(つぼ)を調べました。それぞれの滝に潜った結果、少なくとも17年以上前に発行されたガイドブックで水深7メートルとされた霊蛇滝の滝つぼの深さは5・1メートル▽20メートルの千手滝は7・2メートル▽30メートルの布曳滝は5・2メートル▽底なしと言われるほど深いとされた竜ケ壺は6・5メートルでした。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |