宗教法人アカウンタント通信No.181


〇納骨壇


〇納骨壇

あけましておめでとうございます。本年も本メールマガジンをご愛顧いただきますよう、よろしくお願いいたします。 さて、納骨壇(のうこつだん)という、ご遺骨の一時預かりの場所およびシステムをご存知でしょうか。 これは、ご遺骨を収める墓所が見つからない場合に、数千円程度の月額利用料を支払って寺院等の本堂の中にあるロッカー型のスペースにご遺骨を預ける仕組み、をいいます。 もちろんご納骨までの間ずっとご自宅に安置しておいても構わないのですが、安置する場所がない、ご遺骨とともに生活するのがつらい、という方もおられますので、そのような方に向けての設備と解釈ください。 大前提としてご理解いただきたいのは、この納骨壇は「納骨堂」と一般に言われる、未来永劫にわたって、もしくは十三回忌や三十三回忌等までの長期にわたってお預かりするものではなく、四十九日、百箇日、一周忌等のご納骨までの間、ご遺骨をお預かりする設備だと言うことです。 筆者が住職を務める寺院でも小規模ながらこの納骨壇をご用意しており、数名の方にご利用いただいております。

この納骨壇に関する寺院側の問題としては、まず ・期間限定のご遺骨預かり設備であることを明確にしておくことが求められる という点があります(ここを曖昧にしておくと自治体から「事実上の墓地である」とみなされ、墓地の新設に際して発生する諸々の手続きや制約が課される可能性があります)。 次に、 ・意図的かどうかは別にして、ご両親などの遺骨を預けた後連絡を絶ち、コンタクトが取れなくなってしまう方が残念ながら少なからず存在する ということです。実際に十年近く前にご両親のご遺骨をお預けになったまま連絡が絶えてしまい、電話は通じず郵便は転居先不明で戻ってくる状態の方が複数おられます。対策としては例えば、 ・お預かり時にしっかりを契約を交わし、保証金を預かる ・「〇年以上連絡が途絶えたら管理者(寺院)側がご遺骨を処分(合葬墓への合祀など)できるようにし、保証金をその費用に充当する」という内容を合意しておく、などが考えられます。

一方、利用される方の留意点としては ・預入時に月額利用料などの条件を確認しておく ・決してご遺骨の終の棲家ではなく、あくまで一時預かりというスタンスであることを踏まえ、速やかに、遅くとも一周忌くらいまでには墓所を探して、納骨壇からご遺骨を引き取るようにする(やむを得ない事情がある時は住職などの納骨壇管理者に相談する) という点があります。

納骨壇は、お身内を亡くされた方にとってはありがたい存在ではありますが、その目的や制約をしっかり認識した上でご利用いただければと思います。 そしてご利用の期間中はご遺骨を預けっぱなしにするのではなく、月命日などに寺院に伺って納骨壇を拝み、お花やお線香をお供えすることも検討していただくよう、お願いいたします。 一方宗教者側としては、平素比較的おろそかにしがちな「利用規約の説明と契約書の取り交わし」をきちんと行うことを徹底したいものです。


(宗教法人アカウンタント養成講座 講師 高橋 泰源)